のこり染
普段なら捨てられる加工後の食品や植物が、染料になって生まれ変わりました。
のこり染で染められたトートバッグは、まさに"エコ"な"バッグ"です。
こんにちは、スタッフの濱本です。
このトートバッグの紫色、とってもキレイだと思いませんか。
私は、この色に一目ぼれしました。
カラーの名前は「ブルーベリー」。
なるほど、イメージ通りで可愛いなと思ったのですが、商品説明をよく読んでみると、
さらに「『のこり染』は食品製造工程から生まれた天然色素による染色方法です」という記載がありました。
「のこり染」ってなに??
初めて耳にした「のこり染」についてもっと知りたくなりました。
「のこり染」は、岐阜県の染色整理加工メーカー株式会社艶金と、岐阜県産業技術総合センターで、2008年に研究開発されました。
普段なら捨てられてしまう食べ物や植物を加工したあとに出る、のこり。
捨ててしまう部分で生地を染める「もったいない」から生まれた新しい染色方法です。
例えば、ブルーベリージュースをつくる際のブルーベリーを絞った後の「のこり」や、くりきんとんを作る際に出る栗の皮などから色を抽出しています。
自然界から抽出した色のため、環境に優しく、染まった色は見ているだけで気持ちが落ち着くようなやわらかい色合いをしています。
原材料は全て、それを製品の材料として使用している企業様から譲り受けたものです。
ワイナリーから出る、発酵したあとのぶどう。
これものこり染の材料になります。
考えに賛同してもらえるところを探すのに苦労したり、やっと食品の余剰物をわけてもらっても腐ってしまったり、再度頼んでも来年の収穫の時期にしかないと言われることも。
染色技術を永年支えてきたベテラン染色職人さんの経験による知恵と、岐阜県産業技術センターの助けも借りながら、1年中いつでも再現良く染められるようになるまで、約1年かかりました。
不思議なことに、のこり染は綿や麻、ウールなどの天然繊維では染まるのに、人工的に作った糸、ポリエステルなどは全く染まらないそうです。
まさに自然が人に与えてくれた恵みの色ですね。
新緑が美しい草原や、満開の桜、抜けるような空の色など。
自然の色は美しいと感じると同時に、心まで癒してくれます。
のこり染のやさしい色は、日常にほっとするひと時を届けてくれると思います。
天然の素材のため、季節や時期によって 微妙な変化がでることがあります。
ひのき
岐阜県飛騨地方のひのきの端材を使用して染められています。
ひのき特有の淡いクリーム色の発色が特徴です。
よもぎ
草餅をつくった後のよもぎの煮汁で染められています。
薬草の宝庫である岐阜県揖斐川地域で採られたよもぎならではの深いグリーンの発色が特徴です。
あずき
老舗和菓子店よりゆずり受けた国産小豆の皮で染められた色味です。
小豆ならではの、深みのあるレッドブラウンの発色が特徴です。
ブルーベリー
果汁をしぼった後のブルーベリーで染められています。
軽井沢近郊で採れたこだわりのブルーベリーならではの深いブルーの発色が特徴です。
※今回はご用意したカラーのみのご紹介ですが、他にもいろいろな素材で染めています。
今回は、「のこり染」の布を使った暮らしの布製品ブランド【KURAKIN】のトートバッグを2種類ご紹介します。
バッグの生地には、生地には岡山県倉敷市で生産された「倉敷帆布」を使用。
帆船の帆に使うために作られたのが始まりの丈夫な平織りで織られた厚手の布です。
日本国内の帆布の7割を岡山県倉敷市で生産しています。
のこり染を作られている株式会社艶金さんでは、昭和62年からバイオマスボイラーを採用するなど、脱炭素を経営の最優先課題とされています。
もったいないという想いや、ゴミを減らしたいという想いを共有するために、のこり染生地を使用した製品を作り続けられています。